二つの王国、二人の王は幼なじみ、友情の絆でかたく結ばれている。シチリア王リオンティーズ、ボヘミア王ポリクシニーズ。

場面はシチリア。ポリクシニーズを迎えての楽しいひととき、突然、王リオンティーズが嫉妬にとりつかれる。妻ハーマイオニがポリクシニーズと不義密通を犯していると。王は忠臣、カミローにポリクシニーズ殺害を命じる。カミローはポリクシニーズに事の真相を語り、二人は王の邪推嫉妬から逃れるために、ボヘミアへ。王は二人の逃走をも王妃の関与するところと邪推し、妻を公然とののしり牢獄へ入れてしまう。臣下がなにかの間違いであると必死に説得するも、王は聞く耳をもたない。またハーマイオニを敬愛する侍女のポーリーナはハーマイオニが牢獄で生んだお姫様を抱いて説得する。王は、その赤子は自分の子ではなく、ポリクシニーズの子だと主張し、荒野に捨てるように命じる。

法廷でハーマイオニは自らの身の潔白を切々と訴えるが、王は一方的に、死刑を!とせまる。アポロの神託が読み上げられる。“ハーマイオニは貞淑なり”。それを聞いた人々は歓喜するが、王はひとり、神託を信じようとしない。神託は嘘であるとまで叫ぶ。直後、王子マミリアス急死の報せが飛びこむ。王は恐れおののき自分の非にようやく気づく。そこにハーマイオニの死も重なり、王は懺悔の日々を送るとを決意する。

16年後、ボヘミア。ポリクシニーズの息子フロリゼルは王子としての身を隠し、村に出入りし、恋人のもとを訪れていた。その相手こそ、幼くしてボヘミアの荒野に捨てられたリオンティーズの娘、羊飼いの親子に育てられ、美しく成長したかのパーディタ姫であった。姫はフロリゼルが王子であることを知りつつ、彼を愛している。

村の毛刈り祭、王ポリクシニーズとカミローは変装し、その村にやってくる。王子はそれと気づかず、パーディタと結婚を望んでいて、このことは父に伝えないと語る。父王は激怒して変装を解き、二人を面罵し、立ち去る。

カミローは変装を解いて、王子をなだめ、元気づけ、二人のために妙案をとく。それは、シチリアに行き、リオンティーズ王に拝謁すること。

二人に出会った王はその美しさに心うたれ、自分の邪推のために亡くなった王子王女のことを思い起こす。シチリアへ王子を追ってきた王ポリクシニーズ、カミロー、そしてパーディタの育ての親、羊飼い親子が一堂に会し、パーディタがリオンティーズの娘であると判明する。思わぬ感動の再会、そして過去の清算、和解。皆で王妃ハーマイオニの像を観にいくことに。ハーマイオニの像を前にして、リオンティーズは過去の過ちを悔いて嘆く。ポーリーナの感動的なことばにより、石像が動き出し、台から降りてくる。ゆっくり夫のもとに近づいて王と手をとりあい、抱き合う。じっと16年の長い歳月を耐えて王妃は生きていたのだ。母ハーマイオニは娘パーディタとも喜びに抱き合う。感動の渦の中、リオンティーズのすすめで、ポーリーナとカミローも結ばる。大団円、幸福のうちに幕。