ウィーン公爵ヴィンセンシオは旅に出ると言う。そしてアンジェロに公爵代理を務めさせ、その補佐役にはエスカラスを任命した。しかし、実は公爵は密かに修道士に変装し、権力が人の心をどう変えるか様子を見る意図があった。
謹厳実直なアンジェロはまず郊外の女郎屋の取り壊しを命じ、かつてウィーンにあった厳しい法律を復活させ、施行した。それは姦淫の罪を犯した者は死罪ということだ。その罪に問われたのは婚約者のジュリエットを妊娠させたクローディオであった。クローディオの妹イザベラはこの事実を聞かされ、すぐにアンジェロのもとに嘆願に向かう。必死で兄の命乞いをするイザベラ、それをはねつけるアンジェロ…しかしそのアンジェロの胸のうちでは大きな衝撃が走っていた。イザベラの清らかな美しさに心を動かされていたのだ。イザベラの二度目の嘆願の折に、アンジェロは交換条件に彼女の体を要求し、拒否される。イザベラは牢獄にいる兄のところへ行き、アンジェロの要求のことを打ちあける。そして、この要求には答えられないから、覚悟をしてほしいと兄に伝える。修道士に扮した公爵はこれをものかげで聞いていた。立ち去るイザベラを呼び止め、策を講じる。アンジェロの要求に応ずると見せかけ、アンジェロがかつて捨てた婚約者マリアナに閨の身代わりになってもらうということだ。これが成功すれば兄のいのちも、イザベラの名誉も、アンジェロにいまだ思いこがれるマリアナの気持もすべて救われるだろうと。これをうまく実行したイザベラであったが、望みを遂げたアンジェロのほうは約束を破り、クローディオの死刑執行したあとでその首を届けろと命じる。これを知った公爵は典獄に依頼し、獄中で病死した囚人の首を届けさせた。そして、イザベラには兄が処刑されたと伝え、翌日帰国する公爵にアンジェロを糾弾するように説いた。
帰国した公爵にイザベラが訴えでるが、公爵はアンジェロの肩をもつようなふりをする。そして、アンジェロとエスカラスに裁きを託し退席する。席を外した公爵は再び修道士に変装してその場にまた戻ってくる。公爵扮する修道士はイザベラとマリアナをそそのかしアンジェロを陥れようとしたのだいうと罪を着せられ、投獄されそうになるが、正体を現す。ふたたび公爵の裁きになり、アンジェロとマリアナを結婚させてから、「尺には尺を」と、アンジェロ死刑を言い渡す。マリアナは必死に懇願するが、公爵は聞き入れない。マリアナはイザベラに助けを求める。約束を破り、兄を死刑台に送ったアンジェロのために、イザベラは命乞いをする。公爵はイザベラの心に感動し、死んだことにしていたクローディオを呼びにやる。兄妹の再会。最後の最後に公爵はイザベラの心を求めて幕。