ハムレット  シェイクスピア全集 〔23〕 白水Uブックスデンマークの王子ハムレットは、ふさぎこんでいた。ある晩、父の亡霊(先王)と出会い、父の死の真相を聞かされる。それは、父を殺害した張本人は、その実の弟にして現在の王、ハムレットの叔父クローディアスであると。敬愛してやまぬ母ガートルードは、父の死から間もなく、この叔父と再婚。ハムレットの苦悩はさらに深い。愛してきた恋人オフィーリアのことまでも信じられなくなるほどに。母も王位も一度に奪った叔父への復讐を誓う。しかし、ハムレットの心は復讐へ直に行かず、複雑に揺れ動く。周囲の人間たちも、そのハムレットに翻弄される。

「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。」“あの亡霊は悪魔かもしれぬ・・・”そんなハムレットは“芝居”の力を借りて、叔父の偽善を見破り、父の亡霊の言葉が真実であると知る。

逆にクローディアスもハムレット殺害を企むようになる。ハムレットは、叔父の奸計の一つであった毒剣により傷を負うが、最後の最後で復讐を果たす。猛毒が体にまわりはじめる中、唯一無二の親友ホレーシオに見守られ、死す。「あとは沈黙」。