ローマ帝国の将軍タイタス・アンドロニカスは、ゴート族を討伐し、ゴート族の女王、タモーラとその三人の息子を捕虜にして凱旋する。タイタスは長男リューシアスの懇請を受けて、この戦いで命を落とした息子たちを弔うのに、タモーラの息子を一人、生贄にする。新皇帝サターナイナスは自分を皇帝の座に推してくれたタイタスに感謝し、タイタスの娘ラヴィニアを妃にしたいと伝える。タイタスは嬉々とする。しかし実はラヴィニアは既にサターナイナスの弟バシエーナスの婚約者であった。バシエーナスは怒り、ラヴィニアを連れてその場を去る。娘をとり返さんものとあとを追おうとしたタイタスに対し、その息子ミューシャスが反対の心から止めに入る。タイタスはこの息子をその場で殺す。このさなかにあって新皇帝サターナイナスはあっさり心変わり、タモーラを妃にする。暴君のこの行為にタイタスはとり残され、茫然自失…。タモーラのほうは得たりとばかり、タイタスへの復讐心に激しく燃える。
タモーラとその愛人、ムーア人アーロンの奸計に突き動かされて、タモーラの息子ディミートリアス、カイロンはラヴィニアの夫バシエーナスを殺害し、彼女を強姦する。その上、口を封じるために舌と両手を切り取る。さらにアーロンはタイタスの息子クインタスとマーシャスにバシエーナス殺しの罪をきせ、逮捕させる。タイタスは息子たちの釈放を申し出るが聞き入れられず、弟たちを救い出そうとした長男リューシアスはローマ追放を命じられる。さらに、タイタスは娘ラヴィニアの変わりはてた姿を見て半狂乱。そこにあらわれたアーロンはタイタスに二人の息子の命を救うため、とだまし、そのことばをうのみにしたタイタスは右腕を切り落として差しだす。しかしタイタスのもとに帰ってきたのは息子たちの生首…。
タイタスは、ラヴィニアが杖を口にくわえて書いた自分をはずかしめた犯人の名を目の当たりにして復讐に燃える。
一方アーロンは、タモーラの生んだ赤子の肌の色を見ては父親が情夫である自分であると知り、かつて見せなかった愛情を示し、露見するのを恐れ、赤子を連れて逃げていく。
追放されていたリューシアス(タイタスの長男)はゴート族を率いてローマに攻め寄せていた。タイタスはラヴィニアの手をかり、タモーラの二人の息子を殺す。そしてサターナイナスとタモーラを宴会に招く。そこでタモーラに息子の人肉パイを食べさせた後、刺殺する。タイタスはサターナイナスに殺され、サターナイナスは、タイタスの一人生き残った息子リューシアスに殺される。新しいローマ皇帝にはこのリューシアスがつき、ゴート族に捕らえられたアーロンは生き埋めに処せられる。