41VziF-XxwL._AC_US218_ローマでは傲慢なケーアス・マーシャスこそ民衆の敵であると市民たちの不満と非難の声が巻き起こっている。その市民たちのなかに登場してきたマーシャスは逆に不
平不満を口にしては権力に追従してばかりいる彼ら市民たちを軽蔑し、罵倒する。そんな折、マーシャスのライバル、ヴォルサイ人の町、コリオライの将軍、オーフィ
ディアスがローマに対し挙兵したことで、マーシャスはこの戦いに出かけていく。敵陣にたった一人跳びこんで戦うマーシャスに触発されたローマ兵たちはみごと
に敵を打ち破り、コリオライの町は陥落する。これによりまた大きな武勲をたてたマーシャスは「コリオレイナス」の称号を与えられる。ローマに凱旋したコリオレイナ
スは執政官に推挙されるが、市民に迎合して彼ら市民の承認を得てその職に就くというローマの古い慣習にうんざりしている。母ヴォラムニアの説得で、なんとか彼はそ
の慣習にそい、なんとか演じきり、執政官となる。それも束の間、コリオレイナスを追い落すことを企む護民官たちが市民たちを煽りたて、一転、彼は弾劾されてしま
う。母や親友メニーニアスがこの窮地を救うものの、誇り高いあまりに高潔すぎるコリオレイナスの気性が災いして、結局、ローマを追放されることになる。ローマ
を去り、ローマに恨みをいだくコリオレイナスはかつてのライバル、オーフィディアスと手を組んで、ローマに復讐を誓う。しかし、コリオレイナスのみ人気が高ま
り、オーフィディアスの心のなかではコリオレイナスにたいし憎悪の念が湧きはじめる。
いまや、ローマを攻め落とさんと迫ってきていたコリオレイナスに対し救いを求める嘆願の声がローマから沸き起こるが、すべてコリオレイナスによりかたくなに拒
否される。しまいには彼の母ヴォラムニアは彼の妻子とともに彼のもとにひざまずいてローマを救うことを切々と訴えかける。これに心動いたコリオレイナスは母の手を
とり、ローマとの和解を決め、ローマをあとにする。ヴォルサイ人のもとへ帰りついて人々から歓迎を受けるが、オフィ―ディアスと共謀者たちに裏切り者とされ
て、彼らの刃にかかり、死に果てる。