じゃじゃ馬ならし  シェイクスピア全集 〔7〕 白水Uブックス

ピサの大商人の息子ルーセンショーは、学問を修めるため、召し使いのトラーニオとパデュアにやって来る。着くやいなや、資産家バプティスタの美しい、しとやかな愛娘ビアンカに恋をする。その恋敵が二人、グレミオとホーテンショー。バプティスタにはもう一人姉娘がいる。これが、妹とは逆に、手がつけられないほど強情なじゃじゃ馬、キャタリーナ。求婚する男は一人もいない。バプティスタはこの姉娘が結婚するまでは、妹ビアンカを嫁にやるわけにはいかないという。
そこで、ホーテンショーは、持参金さえたんまりあれば、嫁の性格や容貌は問題にしないと豪語する友人ぺトルーチオにキャタリーナを紹介。ホーテンショー自身は家庭教師に変装し、ビアンカに近づこうと計画。一方、ルーセンショーも家庭教師になって彼女に近づく。ホーテンショーと競り合い、完全にビアンカと相思相愛に。
さて、キャタリーナに初めはいびられたぺトルーチオは、乱暴ながら、不思議とあたたかい方法でじゃじゃ馬をならしていく。それによりユニークな夫婦の在り方を示し、本来もつ女性の素晴らしさを引き出だしていくことになる。最後には、女(たち)の変身ぶりに笑いあり、驚きありの大宴会で幕。